投資信託を買って粉砕。
個別銘柄に手をだして粉砕。
これ以上どうなるのかという状況の中、物語はまだまだ続きます。
この時の心境を振り返ると・・・
「まだ若いからいくらでもやり直せる」
とか
「別に彼女もいないし結婚しないから一人なら生きていけるだろう」
とか
そんな風に思ってましたね。
「まだ俺にはチャンスがある」
そう思って次のステージへと上がったのです。
今思うと意味不明なんですが、当時は本気でそう思ってました。
人間というのは不思議なもので、根拠のない自信があると何も耳に入ってこないんですよね。もうどう考えても危ないはずなのに現実が見えていないという・・・。
給料が入る→全力投球
の繰り返しで全て泡となって消えていきました・・・。
ある意味恵まれてます。
少ない元手で逆転するにはFXしかない
現実が見えていない状況の中で起こったのがあのイベントです。
リーマンショック。
この時は一晩で5円落ちした通貨もあったそうでまさに地獄だったらしいですね。
そうです、「らしい」と書いている通り、僕はリーマンショックの直撃は避けることができました。むしろ惨劇は翌朝に気付いたくらいです。
逆にそれでなんで破産するのか不思議ですね。
まぁ避けられた理由はその前に資金が尽きていたためです。
次の給料日までは身動きがとれなかったという・・・。
投資信託でも株でも敗れ去った私が次に本格参入手したのはFXでした。
当時の世は大円高時代です。
そうなればこの名言の出番ですよ。
「3割も落ちたんだから1割くらい戻すのが普通でしょ」
はい、ドル買いしました。
いや、だって「強いドルは国益」っていう要人発言が多かったんですよ。
そしてその度に円高ドル安になる。
意味が分からないでしょ・・・。
実はそれまで、つまり中国株に手を出している間もFXも細々とやっていました。
まぁ一年で20万くらいの損なので軽いものです。
ところがこの年は本格的に参入したこともあって約100万くらいの損失を出しました。
給与はそこそこもらっていたのにことごとくなくなっていくという負のスパイラルです。
とは言っても、別に毎日毎日負けるわけではないんですよ。
むしろ回数としては勝てる時の方が多い。だからやめられない。
でも負ける時に3か月分くらい負けるからトータルだと減る一方なのです。
いわゆるコツコツドカンってやつです。
まさに素人。
まさに初心者。
でもそれでも、これまでの損失を取り戻すにはレバレッジの高いFXしかないのです。ちまちまやってたら取り戻せません。
「少ない元手で逆転するにはFXしかない」
「3割も落ちたんだから1割くらい戻すのが普通でしょ」
それが当時の僕のジャスティスでした・・・。
史上最高値の防衛ラインは伊達じゃない?
さて、この頃から意識され始めたのが「どこまで円高になるのか?」ということです。
100円は割れないとか90円は死守とか、はたまた50円とか30円とか無茶な予想もありましたが、それでも大方の予想ではどんなにいっても80円まで。
つまり、その時の史上最高値を超えることはないという予想が多かったです。
僕もそう思って79.5円にストップを置きました。
貫通すれば300万くらいの損失です。
でもよく考えてもみなさいよ。
これを割るということは、2007年と比べたら30円以上も変動してるということです。
さすがに数年で30円も変動するというのはありえませんよね。
まぁ後に2年で+30円以上変動することになるんですけど・・・。
しかし、予想を超えるスピードで年明けの2009年に早くも90円に到達し、少し戻したものの翌年には80円までいきました・・・。
そして2011年3月・・・
一瞬でした。
一瞬で76円が見えました。
世間でも大事件がありましたが、市場も大混乱でしたね。
僕も大混乱でした・・・。
ですが
ここでは協調介入があったこともあって一気に値を戻しました。各市場が開けるタイミングで介入が入ったのをリアルタイムで見ていましたが、ちょっと面白かったです。特に17時の介入のショボさが。
ただ、今でも意味不明なのが朝発表してたことですよ。
「本日協調介入しますよー」
って野田さんが言ってるの。
あ、言っちゃったwwwww
って感じ。
それでも
「この介入は世界の中銀がOKしてるんだからこれでいよいよ反転だ!」
と思って僕は全力でドル買いしました。
79円くらいから一気に85円あたりまで戻しましたね。
この時が僕の最高の含み益でした・・・。
ですが・・・
夏ごろにはまさかの70円台再突入。
完全に終わりました・・・
なんで利確しなかったんだろう・・・
そのまま100円に戻る夢を見てしまったんです。
その後も単発の介入をしたりと行ったり来たりを繰り返しましたが、気が付けば70円台で落ち着いちゃいましたね。
そしてこの時に僕が思ったのはこうでした。
国の政策なんて頼りにならないなー
そんなの信じたらダメだなー
「今後はうまくのせられないようにしよう。」
むしろ逆をやってたら儲かってたじゃん・・・。
この時の思いが、後の悲劇を生むことになるのです。
決戦のアベノミクス
そんな調子でしばらくは上がったら円買ドル売することでコツコツと利益をあげていきました。気が付けば資産は1000万を超えていました。
まぁそれでもトータルでは大赤字なんですが。
この時は本当に簡単でした。
「円買いするだけで儲かるゲームwwww」
なんて本気で思ってました。
というか本当に円買いするだけで必ず儲かってたんです。
逆に動いても朝起きたら黒字になってるみたいな。
「みんなも円買いしないと貧乏になっちゃうよwww」
なんて友達にも言ってましたね。
そして衆議院の解散。
アベノミクスの始まり。
もちろんチャンスだと思いましたよ。
久しぶりに80円を超えてきた!
ここで円買いすればかなり儲かる!
その頃には巷では円安になるという話はありましたが、そんなことは関係ありません。
なにしろ日銀と政府ほど信用できないものはありませんからね。
どうせまた70円台に戻るんです。
ここまで上がってくるともしかしたら60円台にいっちゃうんじゃないかとさえ思ってました・・・。そしたら夢の億万長者・・・。
気付けば90円まで戻していました・・・。
こんなはずじゃ・・・
ここまで上がったからそろそろなはず。
「3割も上がったんだから1割くらい戻すのが普通でしょ」
「これまで何回も介入してもまた円高になってたしまた70円になるはず!」
そして・・・運命の黒田バズーカです・・・
見事に粉砕されました・・・
解散前には1800万あった資金は、この春には500万まで下がってしまったのです・・・。
やはり国策に乗るべきでした・・・。
円高の時には円売りで大損し、円安になったら円買いで大損ですよ。
いったい何をやってるんでしょうか・・・。
まぁ簡単なことですよ。
世の中そんなに甘くない。
所詮素人が上手く立ち回るなんて無理なのです。
ここでそれに気づくべきでした・・・。
【続き】>>株とFXで破産した記録 後編