2014年に2270万円を失い借金を抱えることになった自分は、そこから再起を賭けて一年あまりで借金を返済することに成功しました。
その後も順調に資産を増やしていったのですが・・・
2022年に再度すべてを失いました。その額3000万円。
先の2270万円と合わせて5000万円ほどを失ったことになります。
ブログを始めた時は、2270万円も失うなんて・・・と思っていたのですが、世の中そんなに甘くはなかったのです・・・。投資をはじめて15年にはなるのですが、それでもこうなるものなのです。
今回は、借金返済後から2022年までに追加で失った3000万円の軌跡を公開します。現実というものは、巷で言われるような投資の怖さとはまた違ったものであるということが分かるはずです。
昨今では国を挙げて資産運用をすすめているので、少しでもお役に立てれば幸いです。
途中で最初に借金を抱えた時の記事も挟んでいます。改めて読み返すと、借金のありなしでかなりテンションが違うのですが、合わせて参考にしてください。
いやホント、自分でも頭おかしいんじゃないかと思います・・・。
まずはこれまでのおさらい
2007年から投資を始めた自分は、2014年頃に借金270万円を含む総額2270万円ものお金を失いました。
まさに人生終了寸前。藁にもすがる思いでブログを始めて・・・
そこから色々あったのですが、なんとか借金270万円を返済することができました。ブログの力は偉大なり!。
そこから失ったお金を取り戻すために頑張ったのですが・・・
はい、また全部なくなりました。8年かけてまたやっちまったよ!
というわけで、借金返済後の2017年ごろからから振り返っていきます。
初心に返ってインデックス投資
投資と言えば手堅いインデックス投資です。
つみたてNISAを始めとして、初心者にもおススメされていますね。
借金を返済して1年余りで資産は500万円にまでなっており、その後はどうすべきか考えていたのですが、最初に思い至ったのはインデックス投資です。
2017年当時はまだeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)なども存在せず、現在ほど投資信託も充実していませんでした。つみたてNISAもまだ開始していない状況です。
もちろんコロナ前でもあり、米国株がここまで上昇する予兆もありませんでしたので、セオリー通り4資産バランスでポートフォリオを組みました。株式は50%なので、そこまで積極的なスタイルではありません。
やはり一度借金を抱えているので、どうしても保守的にはなってしまうものです。これからは安全にいこう、もう無茶はやめよう、そんなことを考えていた記憶があります。投資は危ない、だから慎重にやるべき。
投資をはじめようと思っている人、はじめたばかりの人は似たような心境ではないでしょうか?
自分も一番最初に投資をはじめた時(参考記事を参照)にも同じことを思い、結果的には借金を抱えることになりました。もう二度と同じ失敗をしないと心に誓っていたのですが・・・。
今考えると、これが不味かったのかもしれません・・・。
個別銘柄の誘惑
インデックス投資の場合、お金はなかなか増えません。コロナ後の株式市場のように、相当な暴騰があってもせいぜい1.5倍から2倍くらいです。お金を増やすには10年単位での月日が必要です。
当時もまだブログをはじめとして副業はしていましたから、毎月キャッシュは入ってきます。資産は増えているのですが、投資の方はサッパリでなんだか心がモヤモヤします。1000万円ほどの金額を投資しているのに全然お金は増えません。
前回借金を抱えた時は、暴落局面でチャンスが来たと勘違いしてインデックス投資を放棄したので、今回はそこは注意していたんです。たとえ暴落がきても動かないぞ、と。
結果的にはコロナ騒動まで暴落は来ないのですが、そもそもそんなことは関係なかった。
暴落よりも恐ろしいのは人の心の弱さです。暴落なんて些細な話なのです。
インデックス投資はとにかく暇なので、もうすべて忘れて寝ているのが一番なのですが、借金を抱えたり返済したり波乱万丈だったのでじっと寝てるなんてできません。
どうすれば効率的にお金を増やせるのか?今のやり方はあっているのか?
そんなことをひたすら検索する日々。
しかし、2016年から2018年頃は株価もそこまで動いていなかったので、あれこれやっている割にはお金は全然増えないのです。
そんな中、検索するとたくさん出てくる眩しい投資家たち。SNS時代は恐ろしいですね、いろんな人を見ているとどんどんその気になってきてしまいます。ある種の洗脳みたいなものなのでしょうね。
みんなはどんどんお金が増える・・・
自分は全然お金が増えない・・・
自分も少し個別銘柄でもやってみようかな・・・
これがすべての失敗の始まりでした。
祭りへの招待券
個別銘柄を嗜む人は分かると思うのですが、株式市場もトレンドのようなものがあります。
今はこの業種が熱い!みたいな感じで、とりあえず関係する会社の株はなんでも上がるみたいなおつまり状態になることがあるのです。
この状態になると、とりあえず買えば儲かるターンになりますから、参加すれば物凄い勢いで資産が増えていきます。
当時はバイオ祭りやプロックチェーン祭りと呼ばれる祭りで盛り上がっていて、自分もそれを見ていました。特にバイオ株を。
バイオ株というのは、いわゆる薬を開発するベンチャー企業の株です。薬というのは、開発に成功すると物凄く儲かります。一方で、開発に多くのお金と時間がかかるため、一般的に株価は低位に推移しています。
薬の開発はいくつかの工程があり、開発中の薬を動物に使ったり希望する人に使ったりして効果を見ていくのです。多くの人に効果がありそうだと分かったら販売許可が出て一般に出回るという流れです。
このため、実験がはじまった!とか、動物に効果があった!みたいなニュースが出ると株価が上がります。もし成功すれば株価も数百倍になることが確定しているので、先に買っておけば億万長者になれるからです。
とはいっても、そう簡単には開発は成功しませんし、成功する場合でも数年から数十年かかります。このため、いちいちニュースで反応するのもおかしな話で、通常はすぐに株価が戻ります。
ところが、祭りの場合は違います。ささいなニュースでも株価が2倍3倍になりますし、その後も上昇したりします。この時点では、確かにニュースを見て買えば誰でも儲かるのです。
ところが、所詮はバブルのようなものです。開発が成功する可能性など1%もないのですから、みんなが気づいたら終わりです。祭りが終わったからと言って株価が0円になるわけではありませんが、もともとの価格に戻るのでほとんどの人が損をして終わりです。
そもそもなんで株価が上がってたかなんて誰も分かってないと思います。とりあえず上がってるから買うみたいな。
特に順調に開発が進んでいる(ように見える)会社は株価も数倍に上がっているので、化けの皮がはがれた時には株価は数分の一になります。
そーせいグループ
アキュセラ
サンバイオ
ラクオリア製薬
オンコリスバイオファーマ
アンジェス
自分もこのあたりのバイオ株を取引し、一時期は2000万円にまで資産が増えたものの、最終的には1062万円の損に終わりました(確定申告で損失繰越した金額)。ただ、この時点でも収入はあったので、まだ1200万円程度は残っている状況でした。
ここでインデックス投資に戻ればよかったのですが、途中までは順調に資産が増えたので、変に自信がついてしまったのが敗因だと思います。
Twitterやブログを見てもバイオ株で退場した人はたくさんいたので、あの恐ろしい祭りの中で生き残った自分はやはり才能があるのだろう・・・と。
実はこれ、7年前に書いた投稿と全く同じことを自分でやっています・・・。ある意味ではこの法則の正しさが証明されたと言えますね。
株取引もゲームみたいなもの?
バイオ株は言わば実体のないものに値段がついているようなものだったので、その後はソーシャルゲーム関連の会社の株にも手を出しました。ソシャゲ株というやつです。
当時はまだパズドラのガンホーやモンストのミクシィの残り香があったので、ソシャゲは当てるとデカいというのは残っていましたし、バイオ株と違って売上ランキングという実態から株価を予想することもできるので、相対的に見れば固い業種と言えます。
基本ロジックは、この2つです。
- 事前ダウンロード数から売上ランキングを予想し、割安な株をサービス開始前に仕込む
- 売上ランキングから実際の売り上げを予想し、割安な株を決算前に仕込む
この字面だけ見ると、なんか上手くいきそうな感じがしますよね?
前半の予想するところまでは良いのです。ここはある程度計算できる。ただ、後半の割安というところが難しい。そもそも割安というのは感覚の問題なので、よほど顕著でなければ分からないし、みんな同じことをやっているので結局よく分からない。
実際の株価の動きは計算通りにいくことはなかなかありませんでした。
が、それなりには当たるんです。
大外れなら良いんだけど、普通に当たるのが不味い。
たまに当たって一日で200万円とか利益がでるのでやめられない。典型的なギャンブル依存症の兆候。
当たるのですが、ゴールなんてないので勝っても勝っても終わらないわけで、終わるのはお金がなくなった時です。勝てるうちに逃げるというのはとても難しいんですよね。
一発当てた時の快感が忘れられなくなってしまうのです。コツコツやるなんて馬鹿らしくなってしまう。
飛び交う数百万円のお金も、現物は見ていないのでゲームのパラメータみたいなものです。なんか架空のお金が減ったなあ、みたいな。普通に実際の現金が減ってるんだけど。
結局728万円を失い、個別銘柄を諦めることになります。2年間で1800万円失っているので、さすがにこれは不味いということに気づくことができました。この時点では資産は900万円くらいでした。
ここで終われば良かったのですが・・・いや終われよ!って気がするのですが、終わりませんでした・・・。