2019年10月にいよいよ消費税が10%になります。
10%となるとある意味では計算がしやすくなりますが、買い物をする側にとっては負担が増えることになりますよね。
特に家を買う人にとっては数%でもそれなりの金額になるので大きな課題になります。
例えば、マンションを買う場合には消費税が上がる前と後のどちらに買うべきか・・・計算してみます。
目次
2019年10月以降の引き渡しだと消費税が10%の対象
まずは購入タイミングです。
消費税10%を払うのは10月以降にマンションが引き渡しになる場合です。売買契約や支払いのタイミングが8月や9月でも、引き渡しが10月以降の場合には消費税が10%かかります。
マンションの購入はわりと時間がかかるものなので、スケジュールには注意が必要です。
買おうと決めてもすぐ買えるわけではなく、ローンの相談やら書類の準備などの時間もあるので一定の期間が必要です。
消費税を払いたくないのであれば、10月ギリギリに買うのは危険ということです。
新築マンションは建物部分に消費税がかかる。中古マンションはもともと消費税なし。
続いて購入の時に消費税がかかる金額です。
マンションを買う時の消費税は普通の買い物とは少し違います。
新築マンションの場合は建物の金額に対して消費税がかかります。中古マンションの場合は基本的に消費税はかかりません。
ただし、中古マンションでも不動産屋さんが所持している物件の場合には消費税が発生します。ほとんどは個人の売り主の物件なので消費税はかかりません。
なので、そもそも増税の影響を気にするのは新築マンションを購入する場合ということになりますね。
消費税の増税に合わせて”住宅ローン減税”がレベルアップする
消費税が10%になると支払金額が多くなるので、家が売れなくなってしまう・・・という不安の声に対して、政府は住宅ローン減税のレベルアップという形で答えています。
住宅ローン減税自体は前からありますが、減税がさらに大きくなるという政策です。
具体的には、減税期間が今の10年からさらに3年間延長されて13年になります。
延長される3年間は、建物価格の2%の3等分とローン残高の1%のどちらか少ない方の金額が減税分としてもらえるという仕組みです。
例えば・・・
建物部分が500万円のマンションを土地部分含めて1000万円の住宅ローンで買った場合は・・・
建物価格の2%の3等分は、500万円×2%÷3=3.33万円です。
ローン残高の1%は、11年目は7.35万円、12年目は7.09万円、13年目は6.83万円です。
少ない方の金額が採用されるので、3年間は毎年3.33万円がもらえるということになります。合計10万円ですね。
つまり、おおむねたてものぶぶんのかかくの2%をもらえるとかんがえればOK延長分の減税額は建物部分の価格の概ね2%と考えればOKです。
消費税は2%増えるけど、ほぼ2%戻ってくるというハッピーな仕組みですね。
さらに”すまいの給付金”もレベルアップする
さらに、すまいの給付金もレベルアップします。
すまいの給付金も現在もありますが、今回レベルアップするんです。
具体的には、現在は年収510万円以下の人しか給付金をもらえませんが、2019年10月からは年収775万円以下の人までもらえるようになります。
つまり、多くの人が給付金をもらえるようになるんです!!
また、給付金額自体も増加しています。
例えば年収400万円の人は、増税前は30万円の給付ですが、増税後だと50万円の給付です。
年収450万円以下だと50万円給付、年収525万円以下だと40万円給付・・・というように、かなりのお金をもらうことができます。
というわけで、2019年10月からは「住宅ローン減税」や「すまいの給付金」のレベルアップがあるので、人によっては10月より後に家を買ったほうがお得になるのです。
では、どんな人がお得になるのでしょうか。
消費税の増税vs住宅ローン減税&すまいの給付金
お得かどうかを比べるためには、消費税が+2%になった時に払わなければならない金額と、控除や給付金のレベルアップ分のどちらが大きいのかを計算すればOKです。
まずは前提条件を定義します。
- 住宅ローンの金額のうち、土地と建物の価格は半分ずつとします。つまり消費税がかかる金額はローン全体の半分です。
- 住宅ローンの金利は35年固定で1.5%。フラット35で団信をつけたイメージです。
- 住宅ローンの手数料は2%。多くの銀行に合わせます。
消費税は8%から10%に+2%になるので・・・
住宅ローンの金額の半分×2%+手数料の2%×2%
これが、消費税が上がった場合に払わなければならない金額になります。
続いて住宅ローン減税とすまいの給付金。
こっちは3年間で減税される分と給付金を足せばOK。消費税が上がった場合にもらえる金額です。
消費税が上がって支払いが増えても、それ以上にお金がもらえるなら、消費税が上がってからマンションを買った方が良いということになります。
それでは実際に計算してみましょう。
2000万円の新築マンションを買う場合
まずは2000万円の新築マンションを買う場合を年収別に計算してみます。
年収 | 消費増税分 3年分 |
ローン控除 3年分 |
すまい給付 増額分 |
収支計算 |
---|---|---|---|---|
400万円 | -20.8万円 | +20万円 | +20万円 | 19.2万円 黒字 |
500万円 | -20.8万円 | +20万円 | +30万円 | 29.2万円 黒字 |
600万円 | -20.8万円 | +20万円 | +30万円 | 29.2万円 黒字 |
700万円 | -20.8万円 | +20万円 | +10万円 | 9.2万円 黒字 |
800万円 | -20.8万円 | +20万円 | +0万円 | 0.8万円 赤字 |
はい、消費税が上がったにも関わらず黒字のケースが多いですね。年収500万とか600万の人は増税後の方が30万円もお得です。
年収800万円になるとすまい給付金が0円なので赤字になってしまいますが、それ以外だと余裕の黒字ですね。
3000万円の新築マンションを買う場合
続いて3000万円だとどうでしょうか。
年収 | 消費増税分 3年分 |
ローン控除 3年分 |
すまい給付 | 収支計算 |
---|---|---|---|---|
400万円 | -31.2万円 | +30万円 | +20万円 | 18.8万円 黒字 |
500万円 | -31.2万円 | +30万円 | +30万円 | 28.8万円 黒字 |
600万円 | -31.2万円 | +30万円 | +30万円 | 28.8万円 黒字 |
700万円 | -31.2万円 | +30万円 | +10万円 | 8.8万円 黒字 |
800万円 | -31.2万円 | +30万円 | +0万円 | 1.2万円 赤字 |
はい、3000万円でも余裕の黒字ですね。
これはもう勝負あった感じがしてきましたよ。
4000万円の新築マンションを買う場合
もはやどんな価格でもほとんど黒字っぽいですが・・・最後に4000万円です。
年収 | 消費増税分 3年分 |
ローン控除 3年分 |
すまい給付 | 収支計算 |
---|---|---|---|---|
400万円 | -41.6万円 | +40万円 | +20万円 | 18.4万円 黒字 |
500万円 | -41.6万円 | +40万円 | +30万円 | 28.4万円 黒字 |
600万円 | -41.6万円 | +40万円 | +30万円 | 28.4万円 黒字 |
700万円 | -41.6万円 | +40万円 | +10万円 | 8.4万円 黒字 |
800万円 | -41.6万円 | +40万円 | +0万円 | 1.6万円 赤字 |
多少黒字額が減ったり赤字額が増えたりしていますが・・・まだまだ余裕の黒字ですね。
ようするに、ほとんどの場合は消費税の増税後に買った方がお得ということです。
年収775万円以下ならマンションは増税後に買うべし!!
というわけで消費税の増税前に買うべきか増税後に買うべきかを計算してみました!
結果としては、すまい給付金がもらえる年収775万円以下であればマンションは増税後の2019年10月以降に買った方がお得ということになります。
特に年収476万円~674万円の人は増税後だと30万円近くの黒字になります。
厳密にいえば、引っ越し代やらその他細かい支出もありますが、数十万円の差に比べれば誤差みたいなものです。
年収775万円以下なら消費税が上がった後に買うと覚えておきましょう。
今のうちに住宅ローンの事前審査を受けておこう
今回の計算は誰でもできることなので、10月以降に買った方がお得であるというのは、多くの人が知ることになるでしょう。
つまり、10月になったら争奪戦です。
そうなると、10月になったらすぐに引き渡しができるようにそれまでに準備をしておく必要があります。
マンションを買うときに特に時間がかかるのは住宅ローンの手続きなので、これをなるべく事前に済ませておくのがおすすめです。
おすすめの住宅ローン
住宅ローンも銀行によって金利は違い、どこの銀行で契約するかによって支払い金額に何十万円も差がつきます。
少しでもお得な銀行を選んだ方が良いので、おススメの銀行を紹介します。
おすすめ① 住信SBIネット銀行
住信SBIネット銀行は、このブログでも何度か紹介しているオススメの銀行です。
数ある銀行の中でも金利が圧倒的に安いです。2018年11月時点で変動金利は0.457%(借り換えは0.428%)となっています。もはや書き間違いを疑うレベルです。
また、死亡した時のための団体信用生命保険だけでなく、どんな病気・ケガでも保障する全疾病保障が無料でついてきます。
返済中に亡くなった時はもちろん、なんらかの病気で仕事ができなくなった時にも住宅ローンがチャラになります。
疾病特約は他の銀行では別途お金がかかる場合がほとんどです。これが無料というのは滅多にないサービスなので、とにかく安くお得に住宅ローンを組みたい人にはオススメです。
住信SBIネット銀行は普段使う銀行としてもとても便利なので、審査だけでもやっておいて損はありません。
おすすめ② イオン銀行
イオン銀行の最大の特徴は、イオングループでの買い物が毎日5%オフになることです。これはイオンで買い物をする人にはとても嬉しいサービスです。
また、イオンの中で手続きができるのでとても便利です。銀行と違って土日も平日も関係なく開いてますからね。買い物のついでに気軽に寄れるのは助かります。
そして金利ですが、2018年11月時点で変動金利(借り換え)は0.47%となっています。
先ほどの住信SBIネット銀行と比べると少し高く見えますが、日ごろからイオンで買い物をしている人にとっては、イオンの割引の効果もありますね。
近くにイオンがあるのであればイオン銀行も検討すべきでしょう。
まとめ
最後にまとめです。
- 2019年10月以降の引き渡しだと消費税が10%になる
- 消費税は建物部分にかかる。中古マンションは基本的には消費税なし。
- 増税後は住宅ローン減税やすまいの給付金がレベルアップ
- 年収775万円以下の人は2019年10月以降に買った方がお得になる!
- おすすめの銀行は「住信SBIネット銀行」と「イオン銀行」
消費税が上がると損するイメージですが、実際には増税後の方がお得な人が多いです。
十分に気をつけてマイホームを手に入れましょう。