家計は苦しいけど家は買いたいし子供の学費はあるし老後の貯蓄は必要だし・・・そんな悩みを抱えている人は多いと思います。
自分の場合は借金の返済を目指して少しでも節約しようと頑張ってましたが、そうでなくても巷では節約術やお得術が流行ってます。
今回は、苦しい家計をなんとかしようと家計診断を受けた友人の一言を元に記事にしてみました。
学資保険と住宅ローンのお話です。
目次
学資保険の保険料は住宅ローンの繰り上げ返済に使うとお得?!
「昨日FPさんの家計診断受けてきたんだけど・・・」
30歳くらいになるとこんな話をすることがあります。
それ自体は別に不思議な事でも何でもないのですが、今回はちょっと事情が違いました。
「学資保険を解約して繰り上げ返済した方がトータルで考えると得らしいよ!」
・・・な・・・何言ってんだコイツ・・・と思いながらも話を聞いてみると、なにやら家計が苦しいので少しでも節約をしたいという相談をしたとのこと。
あれこれ提案をしてくれた中で最も節約になりそうなのが学資保険を解約して住宅ローンを繰り上げ返済することだったと。
さて、本当にお得なのか計算してみましょうか。
本当にお得なのか計算してみる
計算といっても彼の住宅ローンの金額や保険金額を正確に知っているわけではないので、モデルケースで考えてみましょう。
まずは住宅ローンですが、とりあえず3500万円をフラット35の固定金利1.3%で契約しているとします。これで毎月103769円の返済で、返済総額は約4358万円です。
続いて学資保険は保険金300万円で月払い保険料が12606円、総払込保険料約272万円の契約とします。
つまり、学資保険18年間で28万円が増えるイメージですね。
さて、この学資保険をやめて繰り上げ返済したとするとどうなるのでしょうか。
学資保険の分である12606円を最初の18年間繰り上げ返済(期間短縮)します。最初の18年間の毎月の返済は103769+12606円になって返済総額は約4256万円です(返済期間32年に短縮)。
つまり、学資保険を繰り上げ返済に回すことで102万円の節約になります。
ということは・・・
学資保険あり ⇒ 28万円お得
学資保険なし ⇒ 102万円お得
たしかに74万円もお得ですよ!!!!
やっぱり学資保険はやめて住宅ローンの繰り上げ返済に回した方がお得だったということなんです。
そもそも学資保険の目的とは何かを考えよう
しかし、このやり方には致命的な問題があります。
大学は現金がないと入れないということです。
分かりやすくするために具体的に金額を並べてみましょう。
パターン1.住宅ローン+学資保険の場合
まずはローンを返済しながら学資保険を用意するパターンです。
3500万円をフラット35の固定金利1.3%で契約をしている場合、18年後にはローンが残り17年で1890万円残っています。
学資保険は300万円の保険金が戻ってきます。
つまり、1890万円の借金と300万円の現金があるイメージです。差し引きで1590万円の借金ですね。
パターン2.住宅ローンのみにした場合
次に、学資保険はやめて住宅ローンの繰り上げ返済を急ぐパターンです。
3500万円をフラット35の固定金利1.3%で契約をしている場合、18年後にはローンが残り14年で1584万円残っています。
1584万円の借金と0円の貯金があるイメージですかね。先ほどと比べると差し引き金額は6万円減っていますね。
しかもローンが3年早く終わるので、14年経ってからの3年間は余分に貯金ができます。
借金は減っているし3年分も多く貯金できるしとても良く見えますね。
多少損になっても必要な時に現金を持っていないと生活が成り立たない
決定的な違いは、18年後の時点で現金がどれだけあるかです。
パターン1は借金は多いけど現金が300万円あるので、大学の学費はこれで払うことができますね。
パターン2は18年後の時点では現金は特にありません。
大学の入学金や毎年の学費は100万円以上かかりますがどうしましょう。
そうです、トータルの損得は確かに重要なのですが、世の中現金がないと困るシーンもたくさんあるのです。
当たり前のことですが、繰り上げ返済して手持ちのお金が減ってしまっては日々の生活が成り立ちません。
教育資金が潤沢にある家庭なら学資保険を契約するより繰り上げ返済
というわけで、なんでもかんでも繰り上げ返済にまわせば良いと言うわけではないのです。
住宅ローンは減ったけど結果的に奨学金を借りることになりました・・・では根本的な解決になっていません。
そもそも住宅ローン自体が物凄く金利が低い商品なので、他のローンを組むくらいなら住宅ローンで借金にしておくべきです。
ただ、これは現金がないことが問題であるだけなので、例えば既に手持ちの現金がたくさんあるのならあえて学資保険を契約するよりも住宅ローンの繰り上げ返済をすべきです。
日々の生活をする現金はあるし住宅ローンはどんどん繰り上げ返済できるし・・・というのが理想なのは言うまでもありません。
しかし、少なくとも家計が苦しい(=もともと現金も少ない)人に対してする提案ではないと思います。
住宅ローンをお得に使うなら適切な借り換えが重要
それではどうやって住宅ローンを節約をすべきなのでしょうか。
それは適切な借り換えを行うことです。
住宅ローンは借金の金額が大きいので、金利が少し変わるだけでも大幅な節約になります。
手数料はかかるのでお得になる金額と手数料の金額を比較して検討をする必要はありますが、ここ20年の日本の住宅ローンの金利は下がり続けているので、既にローンを組んでいる人は高い金利を払っている人ばかりです。
金利が高い状態で半端に繰り上げ返済を続けるくらいなら、繰り上げ分を手数料に充ててタイミングを見計らって借り換えをした方がお得になるというわけですね。
適切なタイミングで適切な借り換えを行うことこそが安全に節約する方法なのです。
マイナス金利の今だからこそ借り換えを検討するべき
それでも、手間暇かけて借り換えるくらいなら今のままで良いと思う人もいるでしょう。
しかし、2016年に住宅ローンの世界は一変しました。
知っての通りマイナス金利が始まった影響で住宅ローンも一段と金利が低下しているのです。
少なくとも2015年までに住宅ローンを組んだ人は全員負け組の世の中になりました。
分かりやすくフラット35で比べてみましょうか。
2016年6月現在だと1.10%です(35年)。
2014年6月だと1.73%です(35年)。
わずか2年の差でこんなにも金利が変わっています。
2年前に3500万円を借りた人が、そのまま借り換えをしない場合は総支払金額は約4668万円です。
この人がいま借り換えを行った場合には総支払金額は約4267万円になります。
その差は401万円です。手数料が60万円程度かかるとしても350万円もお得です。
マイナス金利の状況というのは、こうした破壊的にお得な事態を引き起こしているのです。
これを利用しない手はありません。
住宅ローンの借り換えなら住信SBIネット銀行がおすすめ
住宅ローンの借り換えを検討する場合には数ある銀行の中から借り換え先を選ぶことになります。
現在最もオススメなのは住信SBIネット銀行です。
借り換えの場合の金利は変動が0.497%、10年固定で0.600%、20年固定で0.960%といずれも最低レベルです。
また、この銀行は無料で全疾病補償の団体信用生命保険がついてきます。普通の銀行だと死亡の時だけローンがチャラになりますが、住信SBIネット銀行の場合は死亡はもちろん病気にかかって働けなくなった時にローンがチャラになります。
これは他の銀行だと金利0.3%~0.4%を追加で契約になります。
つまり、もともと最低レベルの金利ですが他銀行と比べるとさらに-0.3%ってことです。
絶対に病気にならない自信があるなら良いですが、そうでない場合はこの銀行以外に選択肢はありません。
ネットで簡単に事前審査できるので、とりあえず借り換えした場合のシミュレーションをしてみるのが良いと思います。
まとめ
それではまとめです。
- 学資保険を組むなら住宅ローンを繰り上げ返済した方がお得
- 多少損しても現金が必要な時がある
- 学費が用意できてるならどんどん繰り上げ返済すべき
- 住宅ローンを節約するなら借り換えを検討しよう
- マイナス金利の今なら借り換えの節約効果が大きい
- 住宅ローンの借り換えなら住信SBIネット銀行がおすすめ
借金を減らすことは重要ですが、現金が必要になる場面もたくさんあるので上手くやりくりしましょう。
ちなみに・・・
銀行は変えたくないけどマイナス金利の効果を実感したい人もいますよね。
そういう人は下記の記事がオススメです。