家を買う時に理想の場所ってどんなところなのでしょうか?
人それぞれだと思いますが、駅前に便利なお店があって少し離れると閑静な住宅街があってその周りに自然が溢れる・・・なんてエリアは人気ですよね。
そういう場所はしっかりと計画されて街づくりが行われています。
街をつくる時はそれなりに計画が建てられているものですが、特にしっかりと計画して街造りを行っていくものを区画整理事業と呼んでいます。
住む人からすると無計画に適当に家を作ったり店を作ったりされるよりも、利便性などを考えてもらえると助かりますよね。
しかし、そんな区画整理事業の物件を買う時には大きな注意点があります。
それは、住宅ローンが制限されるということです。
区画整理事業って?
そもそも土地区画整理事業とはどんなものなのでしょうか?
法律で定められている内容は「都市計画区域内の土地について公共施設の整備改善及び宅地の利用の増進を図るために行われる、土地の区画形質の変更及び公共施設の新設又は変更に関する事業」です。
分かりやすく言えば○○ニュータウンとか、××駅北口再開発みたいなやつですね。
もともと未開発の林や山だったりする場所を切り開いて街を造るとか、煩雑に建物がたっていたり畑があったりするところをちゃんと鉄道や道路の配置を考えて街を造り直すようなイメージです。
最近だと大地震などの災害対策のために道の幅を広げたり、木造のお店が密集している地区を大きなビルに建て替えたりしているものもあります。
郊外の区画整理事業だと、大規模なマンションを造ったり広範囲に分譲住宅を造ったりして新しい街を造ってしまうというものが多いようですね。こちらは学校を造ったりショッピングモールを造ったり大規模なものもあります。
こういう物件は住環境はとても良いですし、そのわりに価格も意外と安いのでけっこうお得です。街が完成するまで時間はかかるとは言え、やはりお得なのは嬉しいですよね。
保留地って?
さて、区画整理事業というのは元々の土地の持ち主たちが存在します。
基本的には再開発をしたあとも元々の持ち主の土地なわけですが、再開発するための費用にするために土地を売ったりする場合がほとんどです。再開発をすると地価が上がるのでそれでも損しないという考えなのでしょう。
その売られた土地を住宅販売会社が手に入れて、そこへマンションや分譲戸建てが建てられていきます。まぁ土地の持ち主が自分でマンションを建てるのは無理でしょうから、売ってしまった方が楽というのもありそうです。
この保留地というのは大きな特徴があります。
それは、区画整理事業が全て完了するまで土地の登記ができないということです。ただ、土地の登記がされる前に建物を建築することも建物の登記をすることもできます。
だからどしたの?
って感じだと思いますが、これが庶民には問題があります。
保留地だと住宅ローンがくめないの?
結論からいくと、保留地だと区画整理事業が全て完了するまで住宅ローンが組めないことがあります。
何故かと言うと、土地の登記ができないので抵当権を設定できないからです。ようするに、ローンの担保にならないので銀行もお金を貸したくないのです。
銀行で住宅ローンの資料をもらうと「ご購入になる土地・建物・または借替対象となる土地・建物に保証会社を抵当権者とする抵当権を設定していただきます。」という記載があるはずです。
丁寧な銀行だと、Q&Aなどで「保留地は無理!」って名言してくれます。
家が建ってるのにローン組めないとか・・・そんな馬鹿な話があるのかと思うかも知れませんが、実際に各銀行の相談会へ行ったり、Webサイトを見るとすぐに分かります。
明言されている銀行を確認してみる
例えば最近人気の住信SBIネット銀行です。
住宅ローンのQ&Aに記載されていました。
どのような地域や物件が対象となりますか?
対象となる地域は、日本国内全域です。
ただし、下記の土地および土地上の建物についてはお取扱いしておりません。
・ 借地
・ 保留地
一方で、三菱東京UFJ銀行や三井住友銀行、みずほ銀行などのメガバンクは保留地には名言していませんでした。
どうしてメガバンクは保留地について触れていないのでしょうか?
それにはちょっとした理由があります。
マンションや分譲戸建ての提携ローンなら組める
住宅ローンは組めない・・・と思いきや、マンションや分譲戸建ての場合は提携ローンというのがありますよね。実はこの提携ローンであれば住宅ローンを組むことができます。
ようは「基本的にはダメだけど、提携ローンなら許してやるわ」ってことです。だから保留地はNGとは明言されていないってことです。
ただ、借りれると言っても普通の物件と異なることもあります。
例えば別途手数料がかかったり、普通の物件よりも金利が高かったり、色んな制約がある場合が多いのです。ですので販売会社に十分に確認をしてください。
これは別に詐欺でもなんでもなくて、担保にならない土地なのにお金を貸してくれるんだから多少の制約があるのはしかたのないことです。銀行だって損はしたくないのです。
でも、一個人からすると残念な気分になりますよね。
フラット35は融資できる対象が決まっているのでリストを確認
そんな庶民の味方はやはりフラット35です。
物件の販売担当の方によっては、「提携ローン以外は無理です!」と宣言する場合もありますが、実際にはそんなことはありません。
住宅金融支援機構に「保留地融資のご案内」というページがあります。
このページには、融資可能な区画整理事業のリストが掲載されています。このリストの中に掲載されている事業の物件であればちゃんと住宅ローンを組むことができます。
ある程度の規模の区画整理事業は掲載されているので、マンションや戸建てが建つような事業であれば大抵はいけると思います。さすが庶民の味方ですね!
フラット35を契約するのにおすすめの金融機関
フラット35を契約する場合、手数料だけ見ると「優良住宅ローン」が一番です。
一方で、総合的に見ると「住信SBIネット銀行のフラット35」をオススメします。
手数料は1.0%なので最安値とは言えませんが、それ以上に大きなメリットがあります。
それは、病気で働けなくなった時に、ローンの支払いがなくなるオプションがあることです(料金は3000万円ローンの時で約16万円)。
もちろん、同じようなオプションは他の銀行でも加入することができます。しかし料金が全然違うのです。他の銀行だと約80万円~100万円かかります。
つまり、「住信SBIネット銀行のフラット35」だと100万円近くお得になると言うことです。また、普通にがん保険や医療保険に入る要理も圧倒的に安いです。
これだけの差があると「住信SBIネット銀行のフラット35」をオススメするしかないわけですね。
まとめ
それではまとめです。
- 区画整理事業で売り出されている場所を保留地と言う
- 保留地は抵当権がつけられず住宅ローンが組めない
- 販売会社の提携ローンならローンを組める
- フラット35なら対象リストに入ってればローンを組める
素直に提携ローンにすれば済む話ではあるんですが、節約しようと考えると色々面倒なのでしっかりと準備が必要です。この手の手続きはもう少し分かりやすくならないものなんですかね。