今やデファクトスタンダードと言ってもいい携帯やスマホの「2年縛り」。
前々から色々言われていましたが、ようやく総務省から各社へ改善の要請がされるようです。
これを受けて、早速ドコモは新プランを検討するという発表をしていました。
最近では格安スマホが台頭し、少しずつですが大手の料金の高さが広まってきています。
多くの人の日常生活に密接にかかわっているものなので、料金はもちろんどんなサービスになるかは気になるところですよね。
これからの携帯やスマホはどうなっていくのでしょうか。
二年縛りを振り返る
あまりに当たり前すぎて意識していない人も多いのかもしれないので、そもそも2年縛りとはどんな仕組みなのかを振り返ってみましょう。
2年縛りというのは「2年間の定期契約をすることで月々の料金が安くなる」という仕組みです。その代わりに、解約をした場合には罰金がとられる約束になっています。
つまり、2年毎(24か月)の契約単位になり、契約は2年毎に自動更新されます。このため、2年毎の節目で解約しないと罰金がとられるということになります。
ドコモ、au、ソフトバンクで料金も仕組みもだいたい同じです。
カケホーダイ(ドコモ) を例に具体的な料金を挙げると・・・
- 2年縛りなしプラン → 月々4200円
- 2年縛りありプラン → 月々2700円
こんな感じで、2年契約すると月々の料金が安くなります。これにデータ通信料(2500円~)を払ってスマホを利用することになります。
商売においては、長期間契約したり大量に買ったりすると割引されるというのはよくある話です。銀行の定期預金もそうですし、まとめて買うともう1つおまけでついてくるというお店はよくありますよね。
なので、個人的には定期契約すると安くなるプラン自体には問題はないと思っています。これを否定したら世の中の商売は色々おかしくなってしまいますからね。
しかし、宣伝の仕方や販売方法には大きな問題があると思います。
これは前からあちこちで問題提起されていて、今回ついに携帯電話会社各社に対して総務省が改善に向けた要請を行うことになりました。
まずはそもそも何が問題なのかを見ていきます。
何が問題なのか
大きな問題を3つに分けて挙げてみましょう。
基本的には契約者がちゃんと情報を集めたり契約書を読めば分かることなのですが、携帯やスマホだと色々な人が使うので、企業側ができることを中心にまとめます。
ちなみに、値段が高い低いというのは観点としていません。高いと思うなら契約しなければいいだけですし、今は格安スマホという選択肢がありますからね。なんでもかんでも自分に都合よく安くしろというのは只の我儘だと思っています。
2年縛りプランを前提とした宣伝や営業
携帯電話会社各社の宣伝を見ると、基本的に2年縛りが前提です。
例えばCMなどで宣伝する場合には、2年縛りプランを選ぶことを前提として金額を表示しています(小さい文字でテロップがでていたりする)。モデルケースを提示する時も2年縛りが当たり前。
そもそも「2年縛りではないプランなんてあるの?」と思っている人もたくさんいそうです。
本来は普通のプランがあって、その中で2年縛りプランにした人は2年縛りになる形なので、そこはもう少し認知度を上げる必要があると思います。
量販店に行ってもこちらから聞かないとプランの説明は詳しくはされません。
「こっちのが安いしみんなこっちにしてますよー」
程度な会話でどんどん話が進んでいきます。
まぁそれに流されて契約する方も悪いのですが、「もう少しちゃんと説明した方が・・・」という場面を良く見ます(もちろん販売員によるのでしょうが)。
もちろん、ちゃんと説明したのに後から文句を言ってくる輩はいるので苦情がなくなることはないとは思うものの、さすがに今のやり方はやりすぎだと思います。
更新月を積極的に通知しない
今の仕組みでは、2年縛りが終わる時に特に積極的な連絡はありません。
多くの人は自分の更新タイミングがいつなのかは把握していないでしょうし、人によってはどうすれば更新タイミングが分かるのかを知らない人もいるでしょう。
仮に自動更新であったとしても、更新のタイミングはしっかりと通知すべきです。
いくら利用者が判断をするとは言っても
「あと2か月したら2年契約が終わるので、続けるかやめるかを選んでください。続ける方は連絡は不要ですが、やめる方は連絡してください」
という内容の案内は必要でしょう。
細かい部分は事務手続き含めて検討が必要ですが、今は自分で調べないと分からないので不親切すぎます。そんなにリテラシが高い利用者ばかりではないのですから。
もちろんメールだと気付かない人もいるので現物が残るハガキです。
ハガキも読まずに捨てる人もいると思いますが、そこまでいったら本人の自己責任だと思います。無視した方が悪いわけですからね。
端末の2年分割もあるのでややこしい
最後は端末の話です。
端末は一括で代金を支払うこともできるし分割で支払うこともできる仕組みになっています。実際の支払では2年の分割払いをする人が多いので、料金プランの2年縛りと端末の2年分割払いを混同する人が多いです。
特に、分割した料金と同等の割引をするというサービスがあるため、余計にややこしくなります。何に対して料金を払っていて、何の割引がされているかが分かりにくいんですよね。
その結果
「端末代は払ったのになんでまだ2年縛りなんだ!!!」
という主張をする人が現れます。これは典型的な勘違いケースで、端末の2年分割と2年縛りは契約としては異なるので、特に関係ありません。端末は2年で払い終わったら終わりですが、2年縛りは2年毎に再契約するのだから終わりはないのです。
こんな話もあります。
「端末代の支払期間が終わったんだからその後は料金が安くならないとおかしい!!」
これもよくありますが、多くの人が実質0円の端末を買うので、支払期間は端末代と割引が相殺されて0円なのです。で、支払期間が終わると割引も消えて結局0円で、端末の支払期間は総支払額には影響しません。
最初の2年間はこんな感じ。
- 利用料金 6500円
- 端末代 1480円
- 割引 -1480円
2年後はこんな感じ。
- 利用料金 6500円
- 端末代
1480円終了 - 割引
-1480円終了
どちらも合計6500円になるので、端末代の支払期間が終わっても終わってなくても料金には影響しません。よく分からず契約している人がとても多いということなのです。
この辺はもう少しシンプルにはできないものかと思います。
ドコモは新プランの検討を開始
総務省の要請を受けて、NTTドコモは早速新しいプランの検討について発表しました。
2015年中に料金プランを見直すとのことです。主な見直し検討ポイントは下記の2点のようですが、詳細が判明するのはしばらく先になりそうですね。
- 契約から2年たった後はいつでも無料で解約できるプランの追加
- 解約金の引き下げ
少し気になるのは、仮に解約しやすいプランを作ったとしても、結局それをどう宣伝するかです。
携帯電話会社が儲かるプランに誘導していくような今のやり方ではプランを見直しても同じことが起こるだけだと思います。
「新プランは解約しやすいけど料金が少し高い」だったとすると、利用者から見たら今のプランを選びたくなるので企業側としては今のプランを推すことになると思います。
そしたら結局今と同じ事です。
料金プランの見直しだけではなく、利用者へ説明や情報展開など、包括的に新サービスを検討してほしいですね。
今後は格安スマホへの乗り換えが簡単になる?!
さて、総務省の要請を受けて各社がどのような対応をするのかは気になるところですが、個人的には今よりも大きく改善することはないと思っています。
一方で、解約しやすくなるのであれば、格安スマホへの乗り換えがしやすくなるかもしれません。
これは庶民にとっては大きい話だと思います。
正直言ってしまうと、解約金を払ってでもさっさと乗り換えた方が良いのですが、それでも解約金を払うことに抵抗がある人はいるはずです。
そういう人達にとっては大きなチャンスになりそうです。
なんだかんだ言っても格安スマホは安いです。
ドコモやau、ソフトバンクに文句を言ってる時間があるのなら、さっさと見切りをつけた方が時間もお金も節約になります。
【参考】>>格安スマホの実際の月額平均利用料金は大手の半額!
【参考】>>格安スマホで電話かけ放題のNifMoで大幅な節約ができそう
まとめ
それではまとめです。
- 総務省が携帯電話各社へ2年縛り見直しを要請
- 2年縛りは仕組みや宣伝方法を見直すべき
- ドコモは新プランを検討中
- やっぱり安いのは格安スマホ
長らく硬直化していた携帯電話業界ですが、ここ最近は格安スマホに2年縛りの見直しと色々な動きができました。
一時的に良くなったり悪くなったりはあると思いますが、やはり何も変わらないというのは一番良くないと思うので、各社の競争が行われる形にはなってほしいものですね。
各社の動向に注目していきます。