夕方ニュースを見ていたら、経営再建中のスカイマークが株式の価値をゼロにする「100%減資」を行う方針を固めたという内容が流れていました。
いわゆる株が紙くずになったという話ですが、意外にも昨日の上場最後の株価は14円だったので、わりと回避できる希望を持っていた人がいたのかもしれませんね。
さて、この100%減資って一体何者なんでしょうか?
数年前のJALの時も同じ方法が使われていましたよね。
減資とは資本金の減少
まずは減資とは何かですよね。
減資というのは言葉の通り資本金の額を減らすことで、赤字を解消する時に使う手です。ようは手をつけないで取っておいたお金を使って赤字を埋めますよってことですね。
家庭で言えば虎の子の教育資金に手をつけた、みたいなイメージなんでしょうかね。
従って、差し引きのトータルのお金は変わらないので、この時点では特に状況に変化はありません。
減資と同時に増資をする場合が多い
ただ、減資をする時は大抵の場合は同時に増資も行います。
よくあるのは新しく株を発行して誰かに買ってもらうという方法です。赤字を解消するために資本金を取り崩しちゃったのでそれを補填するという目的です。
これをやられると1株あたりの価値が下がるので既存の株主にとってはダメージが大きいです。
凄く単純に考えると・・・
会社の価値:1000万円
株式の数:1000
1株当たりの価値:1万円
これに対して株を追加で発行すると・・・
株式の数:2000
1株当たりの価値:5000円
ってなるってことです。
数年前に中国株を持っていた時にこれを食らったことがあります。その時は既存の株主は新しく発行される株を安く買う権利をもらえたのですが、日本の株主には権利がなかった・・・!!
100%減資は?
で、今回の100%減資はどうなのかというと・・・
「発行済み株式の全てを一旦、全部取得条項付種類株式に変更し、その全部取得条項付種類株式を無償で取得する」という手続きになります。
意味不明ですよね。
ようは経営陣や大株主たちが話し合って、「今持ってる株はいつでも会社が回収できる株に変更して一旦全部回収してなかったことにしようぜ」って決めることです。
一旦既存の株を回収して無価値にした後に「新しい株を発行して支援者に買ってもらって資金を手に入れて復活を図る」という流れとなります。
ここでポイントになるのは「別に減資はしていない」ということです。株を回収するのと、資本金を減らして赤字を補填するのは全然別の話です。
もちろん潰れそうな会社なので赤字を補填した上でさらに株も入れ替えて・・・と色々対策が必要になるので結果的にはどちらも行われますが、厳密には異なる事象です。
今回のスカイマークの場合
今回のスカイマークが100%減資の方針を固めたということは、既存の株は無価値になります。
その上で、支援を表明している投資ファンドの「インテグラル」に対して新しい株を発行するのだろうと思います。
まとめ
株はリスクがあります。
それを承知の上で取引するようにする必要があるということですね。
まぁ素人が市場の波を乗りこなすのは難しいのでETFとか買うのが良さそうな気もしますが、僕の場合は自分が債務超過しているのでそれどころではありません・・・。